【2026年1月9日続報】山梨県上野原市犬目で8日午前に発生した大規模な山林火災は、発生から24時間が経過した現在も延焼中です。「落ち葉焚きが燃え広がった」との通報から始まり、折からの強風と乾燥で瞬く間に扇山を火の海に変えました。県は自衛隊に災害派遣を要請。犬目・大目地区には避難指示が出されています。この記事では、現地で何が起きているのか、鎮火を阻む要因と共に詳報します。
この記事の目次
【最新情報】鎮火・被害状況
発生から24時間以上経過も延焼中(自衛隊ヘリ活動中)。上野原市犬目・大目地区の計24世帯に避難指示発令中。人的被害の報告は現在なし。
▶ 第一報(発生直後の様子)はこちら:【速報】当時の現場状況まとめ
【被害詳細】火災データ一覧表
| 発生日時 | 2026年1月8日 午前10時45分頃 |
|---|---|
| 鎮火日時 | 延焼中(発生から24時間以上経過) |
| 発生場所 | 山梨県上野原市犬目(扇山中腹付近) |
| 焼損範囲 | 山林を広範囲に焼損(面積調査中)、住宅への延焼阻止活動中 |
| 人的被害 | 現時点で報告なし(住民避難済み) |
| 出火原因 | たき火(落ち葉掃除中の飛び火)の可能性 |
| 気象条件 | 林野火災注意報発令中、北西の風、湿度20%台の異常乾燥 |
火災発生から現在まで:扇山炎上の24時間ドキュメント
山梨県東部、豊かな自然に抱かれた上野原市犬目地区。その静寂は、1本の119番通報によって破られました。標高1,138メートルを誇る秀麗な「扇山」が、今なお白煙と炎に包まれています。現場取材と消防無線の情報、そしてSNS上の住民の悲痛な叫びを元に、この24時間の記録を時系列で追います。
【発生初期】「落ち葉焚き」が招いた悪夢の始まり(1月8日 午前)
事案が発生したのは1月8日の午前10時45分頃でした。消防に入った通報内容は、あまりにも日常的で、しかし絶望的なものでした。
「落ち葉を掃除して燃やしていたら、山の方へ燃え移ってしまった」
現場は中央自動車道の北側に位置する犬目地区。集落の裏手にはすぐに急峻な山肌が迫る、典型的な中山間地域です。この日、山梨県全域には「林野火災注意報」が発令されており、空気は極限まで乾燥していました。湿度20%台という、木材がまさに「着火剤」となるような環境下で、小さな焚き火の火の粉は風に煽られ、枯れ葉の絨毯を這うようにして瞬く間に山林へと駆け上がっていきました。
【拡大期】阻まれた消防活動と自衛隊要請(1月8日 午後)
駆けつけた消防隊を待ち受けていたのは、活動を阻む「地理的悪条件」でした。
扇山の登山口周辺は道幅が狭く、大型の水槽付き消防車が火点の直近まで部署することが困難でした。消防隊員たちは、数百メートルにも及ぶホース延長を余儀なくされましたが、急勾配の斜面と生い茂る木々がその行く手を阻みます。
さらに不運だったのは風向きです。山特有の吹き上げ風に乗った炎は、人間の足では追いつけない速度で尾根伝いに拡大。地上の消防力だけでは制圧不能と判断した山梨県は、同日16時、陸上自衛隊に対して災害派遣要請を行いました。
【恐怖の夜】赤く染まる山肌と避難指示(1月8日 夜間~深夜)
陽が落ちると、その被害の凄まじさが視覚的に明らかになりました。SNSには、近隣住民や中央自動車道を走行中のドライバーから次々と衝撃的な映像が投稿されました。
闇夜に浮かび上がるのは、稜線に沿って龍のようにうねる不気味な赤いライン。パチパチという木のはぜる音と、焦げ臭い煙が犬目地区・大目地区の集落を覆い尽くしました。
「火が家のすぐ裏まで来ている」
住民の不安が高まる中、上野原市は延焼の恐れがあるとして、2つの地区の計24世帯に避難指示を発令。住民たちは着の身着のまま、公民館などの避難所へ身を寄せることとなりました。夜間はヘリコプターによる空中消火ができないため、地上部隊による必死の「延焼阻止ライン」の防衛戦が徹夜で続きました。
【現在】空と陸からの総力戦(1月9日 朝~)
一夜明けた9日早朝、日の出と共に自衛隊および県の防災ヘリが活動を再開しました。上空からは巨大なバケットで水が投下され、地上では消防団員たちが背負い式の消火器(ジェットシューター)を担いで山へ入っています。
しかし、火は腐葉土の奥深くに入り込む「燻り(くすぶり)」の状態になっており、表面の火を消してもまた別の場所から煙が上がるという、林野火災特有の厄介な状況が続いています。現在も鎮圧の目処は立っておらず、現場周辺には張り詰めた空気が漂っています。
▼ 【動画】上野原市・扇山火災のニュース映像
【地図分析】現場周辺の「火災リスク」と地理的要因
今回火災が発生した上野原市犬目地区は、中央自動車道の北側、扇山(標高1,138m)の南斜面に位置する集落です。Googleマップと地形図を照らし合わせると、今回の被害拡大を招いた「必然的な悪条件」が浮かび上がってきます。
1. 「消防泣かせ」の急勾配と狭隘道路
現場付近は、集落から山林へと続く道が極端に狭く、大型の消防車両(10トン水槽車など)が火点の直近まで進入することが不可能です。消防隊は離れた場所から数百メートル、あるいはキロ単位でホースを延長(中継送水)しなければならず、放水を開始するまでに致命的なタイムロスが生じやすい地形構造をしていました。
2. 「風の通り道」となる南斜面
扇山の南斜面は日当たりが良く、冬場は枯れ葉や下草が極限まで乾燥します。さらに、地形的に谷から尾根へと吹き上げる上昇気流が発生しやすく、これが「ふいご」の役割を果たして火の勢いを加速させました。一度火が走り出すと、人の足では到底追いつけない速度で燃え広がるエリアだったと言えます。
【プロの考察】元消防職員が分析する「延焼拡大」の要因
発生から24時間が経過してもなお鎮火に至らない理由は何なのか。元消防職員としての経験則から、現場の隊員たちが直面している過酷な状況を紐解きます。
① 地上部隊の限界と「水利不足」
林野火災における最大の敵は「水がないこと」です。市街地と異なり消火栓は存在せず、近くの自然水利(川や池)も高低差がありすぎて使えないケースが多々あります。
今回の現場も、おそらく麓から小型のポンプ車で何台も中継して水を押し上げているか、あるいはタンク車がピストン輸送で水を運んでいる状況でしょう。しかし、燃え盛る山林に対してホース1〜2本の放水では「焼け石に水」。地上からの活動だけでは延焼ラインを食い止めるのが精一杯で、火を消すことまでは困難な状況です。だからこそ、大量の水をピンポイントで投下できる自衛隊ヘリの投入が不可欠だったのです。
② 「再燃」を繰り返す腐葉土の恐怖
山火事の恐ろしさは、目に見える炎だけではありません。堆積した落ち葉や腐葉土の層(地中)で火がくすぶり続け、消したと思ってもまた別の場所から発火する「再燃」のリスクが極めて高いのです。
特に扇山のような豊かな山林は、燃料となる落ち葉が分厚く積もっています。消防隊員は、背負い式の水嚢(ジェットシューター)と「ジョレン」と呼ばれる鍬のような道具を使い、土を掘り返しながら一本一本、確実に火種を潰していく地道な作業を強いられます。これが、鎮火までに数日を要する最大の理由です。
③ 異常乾燥下の「飛び火」リスク
出火当時は湿度20%台という異常乾燥状態でした。こうなると、燃え上がった火の粉は上昇気流に乗って数百メートル先まで飛散します(飛び火)。消防隊が懸命に延焼阻止ラインを作っても、その頭上を越えて背後の山林や住宅に着火してしまうのです。住民への避難指示は、この「予測不能な飛び火」から命を守るための最も適切な判断でした。
【再発防止】そのたき火、本当に安全ですか?生存チェックリスト
今回の出火原因とされる「落ち葉焚き」。日常的な風景に潜むリスクを甘く見てはいけません。「自分は大丈夫」という油断が、山一つを焼き尽くす大惨事を招きます。庭先で火を扱う前に、以下の3点を必ず確認してください。
⚠️ たき火・野焼き 安全チェックリスト
- □ 「乾燥注意報」「強風注意報」が出ていませんか?
→ 一つでも出ていたら絶対中止。風速3m以上の風を感じたら、火は瞬く間に制御不能になります。
- □ すぐ手が届く場所に「満タンの水バケツ」がありますか?
→ ホースを伸ばしておくのがベスト。「燃え広がってから水を探す」のでは100%間に合いません。
- □ 完全に「熱」がなくなるまで、その場を離れませんか?
→ 表面が白くなっていても、中心部は数百度の熱を持っています。水をかけ、土とかき混ぜて完全に冷やすまでが「たき火」です。
今回の火災により、不安な夜を過ごされた近隣住民の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
現場の詳しい状況をご存知の方、または当時の写真や動画をお持ちの方は、ぜひコメント欄やSNSで情報をお寄せください。地域の安全を守るため、情報の共有にご協力をお願いいたします。
(後半へ続く)
【Q&A】よくある質問(FAQ)
Q1. なぜここまで火が燃え広がってしまったのですか?
現場である扇山の南斜面は、地形的に「吹き上げ風」が発生しやすく、一度火がつくと上へ上へと燃え広がる構造でした。加えて、連日の乾燥で「林野火災注意報」が出ており、落ち葉が極度に乾燥していたこと、急勾配で消防車が火元まで近づけなかったことが重なり、初期消火が間に合わず拡大してしまいました。
Q2. 煙の臭いや降ってくる灰の処理はどうすればいいですか?
風向きによっては数キロ先まで煙や灰が飛散します。窓を閉めて換気扇を止め、洗濯物は室内に干してください。車や農作物に灰が積もった場合は、こすると傷になる恐れがあるため、たっぷりの水で洗い流すようにしてください。
Q3. もし隣の焚き火で自宅が燃えたら、補償してもらえますか?
日本では「失火責任法」という法律があり、重大な過失(重過失)がない限り、火元の人に賠償を請求することは原則できません。「焚き火の不始末」が重過失と認定されるかはケースバイケースです。万が一に備え、自分自身で火災保険に入っておくことが唯一の確実な防衛策となります。
参考・出典リスト
- 山梨県上野原市の山火事 県が自衛隊に災害派遣要請(ANNニュース)
- 乾燥続き『林野火災注意報』発令中…火が住宅に迫る(ABEMA TIMES)
- 上野原市公式ホームページ「防災・災害情報」
- 山梨県ホームページ「林野火災に関する情報」
著者プロフィール
ピュレ(HN)
火災予防アドバイザー/緊急速報対策コンサルタント
消防機関に15年以上勤務し、火災発生のメカニズム、通報対応、初期消火活動、火事速報の対応実務に精通。
火事速報や防火指導、住民向けの通報・初期消火講座の講師実績多数。
火災速報の伝達体制の構築や、適切な情報発信、実効性のある予防・対応マニュアル作成、市民向け危機管理広報を数多く手がけてきました。
消防本部、自治体防災部局、気象庁、防災科学技術センターなどの公的データや現場経験を重視し、権威性・信頼性の高い火事・火災速報や防災情報の発信を心がけています。
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