ところでこの日は、Aさんの友達Bさんも一緒にインタビューを受けてもらう予定だった。しかし、連絡が取れないのだという。電話も出ない、LINEも既読にならない。SNSにも動きがない。取材が終わってもBさんからの応答はないままだ。
「あ、そうだwhooがあったんだ」
位置情報の共有アプリを立ち上げる。登録している友人がいまどこにいるのか、リアルタイムで地図上に表示されるのだ。Aさんの友達のアイコンはほとんどが川口や蕨周辺に密集しているが、Bさんのアイコンは遠く離れた場所にポツンとたたずんでいた。
「え、これどこ」
拡大していくと、それは東京・港区にある東京出入国在留管理局、いわゆる東京入管だった。
「8時間前からここにいるみたい」
どうも収監されてしまったようだ。その後、Bさん一家がトルコに強制送還されたとわかった。
2024年に入管法が改正され、難民申請を3回以上繰り返している人は強制送還される可能性があると明示された。この法律がいま、運用されはじめている。クルド人もちらほらと強制送還される一家が出てきている。
「俺、学校のサッカー部じゃなくてFCクルドに入ったのは、そいつと一緒のチームでやりたかったからなんです」
BさんもFCクルドの選手だったのだ。小学校の頃からの親友だったという。がっくりうなだれながら、Aさんは言う。
「もし俺が強制送還になったら、向こうでは学校に行かないって決めてる。だって高校生のこの歳で、トルコの社会もぜんぜん知らないしトルコ語もそんなにわからないし、小学校1年生とかと同じっすよ。恥ずかしくてたぶん逃げちゃう」
行ったこともない国に「送還」される子供たち。アイデンティティに悩み、苦しむ子供たち。犯罪に走る子供たち。その原因をつくったのは、子供たちの幸せがどこにあるのか考えてこなかった親であり、難民申請という制度を本来とは異なる形で使ってきた人々であり、あやふやな立場の集団を増やし続けてきたこの国の方策だろう。
※詳しくは下記リンクより
https://www.ben54.jp/news/2606
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Source: アルファルファモザイク





