【酒井若菜が告白した自己免疫疾患とは?病気の実態を知ろう】酒井若菜 “一生治らない病”にショック。関節などの異変から発覚した「自己免疫疾患」

酒井若菜さんの自己免疫疾患の発表は、多くの人に衝撃を与えました。彼女が示した勇気と前向きな姿勢は、病と闘っているすべての人に希望を与えるものです。私たちも、彼女のように自分自身の健康と向き合っていきたいと思います。

酒井若菜 “一生治らない病”にショック。関節などの異変から発覚した「自己免疫疾患」

酒井若菜 “一生治らない病”にショック。関節などの異変から発覚した「自己免疫疾患」

俳優として多忙な日々を送りながら、多くの作品で活躍する酒井若菜さん。そんな酒井さんを突然襲ったのは、シェーグレン症候群、関節リウマチ、橋本病の3つの自己免疫疾患。このうち、シェーグレン症候群と関節リウマチは「膠原病」に分類されます。膠原病という名前は聞いたことがあっても、実際にどのような病気か正しく理解している人は少ないと思います。

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今回は膠原病を発症した酒井若菜さんの当時の体験を振り返りながら、膠原病について日本リウマチ学会認定リウマチ専門医の井畑淳先生に解説していただきます。

井畑先生:現在の体調について教えてください。

酒井さん:毎月定期検診に病院へ通っていますが、今は特に痛みはなく日常生活も普通に過ごせています。

井畑先生:朝に関節が痛むこともありませんか?

酒井さん:冬場になるとこわばりが出やすいですが、痛みはありません。

井畑先生: シェーグレン症候群発症の際はどのような症状が出て、どのように気付かれたのですか?

酒井さん:診断前から口や目の渇きは自覚していました。病院を受診したきっかけは別の検査でしたが、偶然リウマチ科の医師に診察していただき、19歳でシェーグレン症候群と橋本病だと診断されました。

井畑先生:橋本病では喉の周囲が腫れて、飲み込みにくさが生じることもあるのですが、そういった症状はいかがでしたか?

酒井さん:飲み込みにくさや腫れは自覚していましたね。

井畑先生:シェーグレン症候群は全身症状も特徴的なのですが、だるさや疲れやすさはありましたか?

酒井さん:そうですね。昔から疲れやすさは感じていました。簡単に説明すると膠原病とはどういった病気なのでしょうか?

井畑先生:膠原病は、本来体を守る自己免疫が自分の体を攻撃してしまうような病気です。

酒井さん:完治は可能な病気なのでしょうか?

井畑先生:完治は難しいと思いますが、酒井さんのように仕事ができる状態にコントロールすることは可能です。診断を受けた際の心境はいかがでしたか?

酒井さん:私は当時「一生治らない」という言葉を聞いて、ショックを受けました。診断当時に膠原病について調べたところ、“死に至る病”といった表現が目に入り、命に関わるのではないかと不安に感じたことを覚えています。

井畑先生:それは怖いですよね。

酒井さん:膠原病の原因は分かっていますか?

井畑先生:ホルモンや環境、遺伝子など複数の要素が絡み合っていると考えられていますが、明確な原因は分かっていません。

酒井さん:橋本病や関節リウマチの原因も不明ですか?

井畑先生:免疫異常が起きやすいような体質はあるのだと思いますが原因は不明で、どうしてそのようなスイッチが入ってしまうのかは、分かっていません。

酒井さん:膠原病の症状や特徴について、もう少し詳しく教えていただけますか?

井畑先生:膠原病に共通する症状は、関節の痛みや原因の分からない熱、だるさ、体重減少などです。シェーグレン症候群については、目や口の渇き、リンパ節の腫れもよく見られます。

酒井さん:どのくらいの年齢で発症しやすいのでしょうか?

井畑先生:橋本病は20~40代で、シェーグレン症候群は40〜60代と言われていますが、若くして発症する方もしばしばいらっしゃいます。

酒井さん:女性に発症しやすいのでしょうか?

井畑先生:そうですね。シェーグレン症候群は男性1人に対して女性が約15人の割合で発症するとされており、橋本病も同様に女性の発症率が高いと言われています。

酒井さん:それはなぜですか?

井畑先生:原因は解明されていませんが、女性ホルモンや染色体が関与していると考えられています。

酒井さん:いつか解明されるのでしょうか?

井畑先生:遺伝子検査は進歩しており、以前は数日かかっていた遺伝子検査も現在は数時間で行えるようになっています。どのような遺伝子の特徴があるのか少しずつ解明も進んでいくと思います。

酒井さん:どのような症状が出たら検査を受けるように判断すればいいのでしょうか?

井畑先生:そうですね。シェーグレン症候群の場合には、目や口の乾きだけでなく、唾液が出にくいことでむし歯になりやすくなるので、歯の状態に違和感があれば受診の目安にはなるかもしれませんね。

酒井さん:膠原病と自分で判断するのは難しいですよね。

井畑先生:気になる症状がある場合は血液で抗体検査も受けられるため、まずはそうした検査を活用することも有用だと思います。

酒井さん:私も年に一度ほど手の指が動かないことや膝に強い痛みが出ることもありましたが、当時は気に留めていませんでした。シェーグレン症候群の発覚から毎月受けていた血液検査で32歳の時に関節リウマチも発覚したため、定期的に血液検査を受けておくことの重要性を改めて実感しました。

井畑先生:定期的に血液検査していないと、発見が遅れてしまう可能性もありますよね。

酒井さん:関節リウマチとはどのような病気なのでしょうか?

井畑先生:関節リウマチは関節の滑膜という部分に炎症が起きる病気で、全身の関節に症状が現れます。好発年齢は40〜65歳で、男女比は男性1人に対して女性が1.5〜2人の割合で発症する病気です。最も特徴的な症状は強い関節の痛みで、心筋梗塞やがんの痛みに匹敵するほどと言われています。

酒井さん:それを伝えたいですね。

井畑先生:また、治療せずに進行すると関節が破壊されることもあります。発症しやすい人の特徴は明らかになっていませんが、体内で炎症が起きていると関節リウマチ発症に関与する抗体が作られやすいと考えられています。

酒井さん:知りませんでした。

井畑先生:酒井さんのようにシェーグレン症候群は自己免疫の病気を合併しやすく、特に橋本病との併発は起きやすいと言われています。

酒井さん:膠原病は具体的にどれくらいの種類がありますか?

井畑先生:20種類以上あると言われています。

酒井さん:2〜3種類の膠原病が併発しても不思議ではないということですね。

井畑先生:そうですね。

酒井さん:膠原病自体はまだ一般的に知られていないと思うので、このような機会に、膠原病や自己免疾疾患という言葉を知ってもらうことが早期発見につながる可能性もあると感じますね。

井畑先生:そのとおりですね。関節リウマチは、人口の約1%に発症する比較的よくある病気です。シェーグレン症候群も目や口の乾燥など症状が見過ごされやすく、診断に至っていないケースもあるため、病名を知って思い出してもらうことも大切だと思います。

インタビューアー:

酒井若菜さん

酒井若菜さん
1980年9月9日生まれ、栃木県出身。2002年に放送されたドラマ「木更津キャッツアイ」のモー子役で話題を呼び、数々のドラマや映画で活躍する。主な出演作にドラマ「Mother」「透明なゆりかご」、NHK大河ドラマ「龍馬伝」、NHK連続テレビ小説「マッサン」、映画「木更津キャッツアイ・日本シリーズ」「恋の門」「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」「遺体〜明日への十日間〜」などがある。2008年には小説「こぼれる」を発表し、作家デビューを果たした。

監修医師:

井畑淳 先生

井畑淳 先生
横浜市立大学医学部を卒業後、横浜市立大学大学院医学研究科 病態免疫制御内科学教室(現・幹細胞免疫制御内科学)にて研究を行う。生体の免疫に深く関わる感染症・リウマチ・血液内科・呼吸器内科に精通。広範な知見と経験をもとに、膠原病リウマチ内科で診療に携わると同時に、後進の育成にも力を注いでいる。日本内科学会認定総合内科専門医・指導医、国立病院機構横浜医療センター臨床研究部長/膠原病・リウマチ内科部長。

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Source: uenon.jp

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