【安倍元総理銃撃事件の裁判とその影響】

安倍元総理銃撃殺害事件の裁判がいよいよ佳境を迎え、検察が「無期懲役」を求刑したことは、我が国の戦後史において重大なターニングポイントとなることは間違いありません。この事件がもたらした影響は計り知れず、政治の在り方や市民の安全に対する意識も大きく変わらざるを得ないでしょう。私たち一人ひとりがこの事件を深く考え、再発防止に向けた議論を進める必要があります。

安倍晋三元総理を銃撃・殺害した罪に問われている山上徹也被告の裁判。

 審理の最終日である12月18日(木)の第15回公判で、検察側は「無期懲役」を求刑しました。

 山上徹也被告(45)は2022年7月、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で、参院選の応援演説を行っていた安倍晋三元総理(当時67)を、手製のパイプ銃で銃撃し殺害したとして、殺人などの罪に問われています。

 10月28日の初公判で山上被告は、「すべて事実です。私がしたことに間違いありません」と起訴状で指摘された行為をすべて認めた一方、「法律上どうなるかは弁護人の主張に委ねます」と述べました。

 弁護人は、武器等製造法違反など一部の罪について、罪の成立を争う構えを示しています。

証人出廷した母親 被告に「てっちゃん、ごめんね」

証言台に立った山上被告の母親(11月18日の法廷内スケッチ)

 事件の背景にあったのは、山上被告の母親による旧統一教会への信仰や多額の献金でした。これまでの公判には、母親も証人として出廷し、“子どもたちの進学よりも、献金することが大事だと考えていた”という旨などを証言しました。

 法廷では、母親が「てっちゃん、ごめんね」と山上被告に詫びる場面もありました。

“安倍元首相は旧統一教会と政治の関わりの中心にいる方。他の政治家だと意味が弱い”

山上徹也被告(12月2日の法廷内スケッチ)

 山上被告自身も被告人質問で、旧統一教会への憎しみや恨みが犯行動機である点を認めました。

(12月3日の被告人質問)
被告 「統一教会に一矢報いるというか、打撃を与えることが、自分の人生の意味だと思いました」

 そのうえで襲撃対象について、旧統一教会のトップも想定していたとしたうえで、“安倍元総理を狙うことは本筋ではないと思っていた”という旨の供述を展開。

 一方で、安倍氏と旧統一教会との関連や、安倍氏の影響力について、強い関心を持っていたことを示す供述もありました。
 
(11月25日の被告人質問 安倍氏が旧統一教会の関連団体に寄せたビデオメッセージについて)
被告 「最初は(安倍元総理が)現役の間には出ない良識はあったんだなと。逆に1度出てしまったら、これがずっと続いていくんだとしたら、(旧統一教会が)どんどん社会的に認められて、問題のない団体だと認識されると思った」
「被害をこうむった側からすると非常に悔しい、受け入れられないなと」
弁護人「感情的に表現すると?」
被告 「絶望感と危機感だと」
弁護人「怒りは?」
被告 「安倍元総理本人に対してではないけど、そうなっていることに対して、怒りというか……困るという感情」

(12月2日の被告人質問)
裁判官「安倍元首相以外の政治家は対象にならなかったか?」
被告 「安倍元首相は私の認識だと、旧統一教会と政治の関わりの中心にいる方だと思っていましたので。他の政治家だと意味が弱い」

“安倍氏が殺害されなければならなかったのは、間違いだったと思っている”
 被告人質問最終日には、山上被告は自らの犯行について謝罪の言葉を述べました。

(12月4日の被告人質問)
被告 「安倍昭恵さんをはじめとして、安倍元首相のご家族に何の恨みもなかった。安倍元首相を殺害したことでこの3年半、辛い思いをしていたのは間違いないと思います。私も肉親が突然亡くなる経験をしていて、弁解の余地はない。非常に申し訳ないことをした」
「安倍元総理が亡くならなければ、殺害されなければならなかったのは、間違いだったと思っている」

 12月18日(木)の第15回公判での論告で、検察側は「無期懲役」を求刑しました。

検察側の論告(要旨)
「我が国の戦後史において前例を見ない、極めて重大な結果をもたらした」

「ホームセンターなどで材料等を購入し、銃器の知識がなくても、製造できることを世に知らしめた。自己の人生に不満のある中、国会議員の要職を狙い、模倣性が極めて高く、社会的な影響が大きい」

「社会的に著名な被害者を襲撃すれば、旧統一教会に結果的にダメージを与えることができると考え、襲撃対象として、社会的に極めて著名な被害者を狙うことにした」

「ただ、旧統一教会幹部から、被害者に対象が変わった理由について、最後まで納得の行く説明はない。あくまで、代替として、突発的に被害者を狙っていて、論理的に飛躍がある」

 検察官の論告の間、山上被告は配布された資料に目を通す場面が多かったものの、求刑を聞いた直後、眉間にしわを寄せ、その後、下を向いてうなだれた様子が見られました。

 判決は、来年1月21日に言い渡されます。

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Source: uenon.jp

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