【JR東日本の人為的ミス続出!山手線・京浜東北線ストップの真相】

今回の山手線と京浜東北線の運休は、多くの通勤客にとって非常に厳しい状況でした。朝の通勤ラッシュに影響が出たことで、駅では改札口が混雑し、多くの方が目的地にたどり着けない事態に陥りました。JR東日本では「人為的ミス」が繰り返される危険が指摘されていますが、これらの問題を早急に解決し、安全な運行を取り戻してほしいです。

JR山手線と京浜東北線が朝ラッシュ時に運休したことで約67万人に影響が及んだ。「改札混みすぎて出られない」「乗り換えも無理すぎる」「地獄の朝」などとSNS上でも悲鳴のような投稿が相次いだ。なぜJR東日本では近年、「人為的ミス」によるトラブルが相次いでいるのか。(ライター 前林広樹)

● JR山手線と京浜東北線が運休で 約67万人が大混乱!「地獄の朝」

 1月16日、首都圏の交通網は麻痺状態に陥った。JR山手線と京浜東北線が始発から午後1時過ぎまでほぼ全線にわたって運休。東海道線なども含めると総計230本が運休し、354本が最大490分(8時間10分)遅れるという大規模な混乱となった。

 首都圏の大動脈の朝ラッシュを直撃したことで、通勤・通学客を中心に約67万人に影響を及ぼした。車内に閉じ込められた乗客のうち15人が体調不良を訴え、5人が病院に搬送される事態にも陥った。

 振替輸送の対象となった私鉄の京急や、東京メトロ、あるいはバスなど他社の利用客にも影響は及んだ。品川駅や上野駅などでは、「人がいすぎて進めない」「改札混みすぎて出られない」「乗り換えも無理すぎる」「地獄の朝」「耐えるしかない」などとSNS上でも悲鳴のような投稿が相次いだ。

 この大型トラブルの原因とは?なぜJR東日本の首都圏各線は近年、「人為的ミス」によるトラブルが相次いでいるのか。

● 原因は工事現場での作業ミス! 田町駅での夜間工事が発端

 今回の直接の原因は、JR田町駅(東京都港区)付近での夜間工事にあった。15日深夜から16日未明にかけて、線路改良工事に伴う資材搬入の際に作業員の感電を防ぐため、検電接地装置を操作して架線と線路を接続していた。

 そして始発の運行に備え午前3時50分ごろに電気の供給を開始しようと、線路と架線の接続を切り離そうとしていたが、田町駅付近では検電接地装置に不具合が生じて接続が切れなくなってしまい、当地の変電所のブレーカーが落ちて停電が発生した。

 これにより山手線と京浜東北線は始発から運行できなかった。JR側は検電接地装置を操作し、7時30分ごろから京浜東北線のみ運行再開できた。その後に山手線も再開しようとしていたが、7時50分ごろに今度は検電接地装置から煙が出てしまった。結果、両線だけでなく東海道線も巻き込まれて運転見合わせになったというわけだ。

 この大規模トラブルに対して、国土交通省はJR東日本に文書で警告。金子国土交通大臣も「公共交通機関としての自覚を持って安全安定輸送に万全を期していただきたい」と会見している。

● なぜ今?JR東日本で 運行トラブル相次ぐワケ

 JR東日本の首都圏各線は近年、電力系統の作業に関する、人為的ミスによるトラブルが相次いでいる。2025年5月22日には新橋駅付近で架線設備の断線により、始発から運休するトラブルがあった。原因は接続部の圧縮不良で、工具の種類を誤り、仕上がり確認も不十分だったなど作業や点検のミスが見られた。23年8月には大船駅付近で傾いた架線の柱が列車を直撃するトラブルが発生。曲げによるひび割れを定期検査で見落していたとみられる。

 また新幹線においても、24年1月23日には東北・上越・北陸新幹線の上野〜大宮間で架線を張るための重りが脱落して停電が発生し、一部の上下線が終日運転見合わせになる事態に。破断した重りの耐用年数は30年だが、なんと38年も使用されていた。点検作業の見逃しによる老朽化とみられている。

 ただし、JR東日本の運行トラブルは、ハードに関する明らかなものだけではない。運転士を襲う、謎のトラブル(原因は究明中)も報告されている。

中央・総武線の各駅停車(三鷹〜千葉駅間)では、運転士がオーバーランなどの停車ミス、体調不良により乗務中断するケースが22年頃から相次いで報告されている。その数、24年までの3年間で約40件も発生。当該の運転士はいずれも旧・中野電車区に所属していることから、「中電病(なかでんびょう)」と呼ばれているという(朝日新聞)。

● 再開発が多いのに人手不足… 労働環境の悪化、高齢化への懸念

 こうした問題の背景に、人手不足や労働環境の悪化が各方面から指摘されている。もともと鉄道の保守担当の技術者は、深夜・早朝の業務が中心なので生活が不規則になりやすい。それに加えて近年は再開発が多く、駅構内へのホームドア設置や、羽田空港アクセス線の整備など新たな工事案件も発生している。31年度の整備数は、21年比で約4倍になるという分析もある。

 JR東日本に限った話ではないが、保守担当の技術者の高齢化は深刻で、線路や車両の整備などを担う技術者の多くは50代だ。今後10年以内に大量退職の時期を迎え、ただでさえ不足している人手がさらに減少することも考えられる。

 運転士においても同様だ。以前から運転士に対しては、人や自動車などへの衝突を招くというプレッシャーに対して、待遇や休暇が見合っているかが問題視されていた。加えて近年はワンマン運転の普及によりICカードのチャージ操作などの業務も増え、マルチタスクによる負担増が懸念されている。

 鉄道業界全体の人員不足は深刻で、28年度までに1万8400人程度、50年度には、鉄道運行に必要な鉄道員が2万4000人不足する可能性があるという指摘もある。

 もちろんJR東日本も無策というわけではなく、夜間に行っていた保守点検作業を昼間時間帯にする、特定技能外国人受入れによる人員確保を進めるなどの対策を取っている。また、26年3月14日に実施される運賃の値上げは、改良・保守が大きな目的であることを前面に打ち出している。

● 「大丈夫か、JR東日本」 特有の課題も指摘される

 しかし、JR東日本に特有の労使の課題があるのを懸念する報道も目立つ。一例としてフリーライターの小林拓也氏によれば、JR東日本の現場からは、事業単位が大きく従業員がマルチタスクをこなさなければならないために職業の専門性が身に付きにくいといった問題が出ているという。そして、労働組合は多数派組合がなく、少数派組合が乱立しているという。

 小林氏は、組織再編や新しい人事・賃金制度の導入により、乗務員への手当てが廃止されることなどを懸念。「現場で働く人と、会社とではだいぶ考えが異なってしまっているのではないか?」「大丈夫か、JR東日本」などと問題提起している。

 こうした報道を見る限り、現場の労働環境が悪化し、作業ミスによる安全な運行が保障できない状況に陥っているのではないかと不安に思う。

 かつてJR西日本では、懲罰的な「日勤教育」が実施されたことで運転士に過度なプレッシャーがかかり虚偽報告が多発していた。これは、05年に107人もの犠牲者を出した福知山線脱線事故の背景としても、よく知られている。

 JR東日本の相次ぐ作業ミスも、何らかのマネジメント不備で起きている可能性があるとしたら――考えたくもないことだが、その場合、近い将来に重大な事故を招きかねない。

 同社は現在、不動産や小売り事業、海外事業など新たな収益源の確保に力を入れている。それらに投資できるのは、鉄道事業で安全・正確な運行をして、安定的な収益確保ができているからこそ、である。

 かつての国鉄のように労働組合が過度な要求を行い、乗客の不利益を招くような事態は避けなければならない。しかし少なくとも、従業員の労働環境を改善することでミスを減らし、乗客に安全で正確な運行を提供することが今のJR東日本には求められているはずだ。

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Source: uenon.jp

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