
https://www.nikkansports.com/baseball/news/202005180000549.html
「僕は他球団でやっていないので、それが特別かは分からないけれど。阪神は目立つので。それは阪神の選手の宿命ですからね」
その一挙手一投足に注目が集まるようになった。監督、コーチにとどまらず、野球評論家、球団OBたちから次々に助言が届いた。
「期待して言ってくれているのだからと、あっちも聞いてこっちも聞いて。僕がもっと賢かったら良かったんですけどね」
窮屈を感じ始めた。持ち味の豪快さに歯止めがかかった。最後は不完全燃焼のまま縦じまを脱いだ。
「自分を100%出しきれたかと振り返ると、正直疑問が残ります。でも、そこを乗り越えられなかったのは結局、自分に力がなかったから。常に注目される阪神でも、結果を出す人は出していますからね」
桜井氏は静かに言った。
現在は関西独立リーグの06ブルズでコーチを務める。指導者の立場となり、過去の自分を反省した。「練習は『やらされる』ではなく『やる』でないとダメですね」と力を込める。
「僕みたいな三流選手は練習をやらされていました。もちろん、最初はやらされないといけない時がある。でも、やらされることが体に染みついてしまうとね…。賢い子は大丈夫だと思う。でも僕みたいに賢くない選手はダメでした。もっと自分で考えて練習しないといけなかった」
今、広島鈴木や西武森の練習を見聞きするだけでも「明らかに『やらされている』のではなく『やっている』」と感じるという。
僕なんかが言うまでもないとは思いますが、今は自分をさらけ出していい時代ですし、思いきり自分を出してほしい。やらされるのではなく、やりたいようにやってほしいですね」
阪神では昨季、大山が開幕から4番を任された。高卒ドラフト2位の井上は今年3月のオープン戦・巨人戦で一躍脚光を浴びた。新たな生え抜き大砲候補にまた期待が集まっている。
「井上くんは同じ広大でも読み方は『こうた』なんですよね?自分と同じ『こうだい』だったら活躍できないかもしれない。『こうた』で良かったです」
桜井氏はそう冗談めかしながら、後輩たちが壁を乗り越えていく日を楽しみにしている。
怪我であかんくなったけど
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Source: 阪神タイガースちゃんねる